読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Take the 'B' Train

不安ばかりだった電車行、その道中について書きます。僕の乗っていたエコノミークラスのシートで話した相手は全員サウスアフリカン、そしてジャパニーズ1人。最初は緊張感もあったし、大変に騒がしかったものでビールを飲みながらiPodでひたすらに音楽を聴いていました。特に通路を挟んだ隣の席に座っているやつがスターウォーズでジャバザハットの近くに座って、ものすごく高い声で笑うモンスターと同じ声を出していてまいりました。(伝わりますか?)気がついたら寝ていて起きたら14時。そんなことで6時間が過ぎました。


6時間電車に揺られて、まだあと20時間もあるなんて。


空腹に耐えられなくなり、食堂車に向かいクォーターチキンを食べました。ここはかなり清潔感があって綺麗なところでした。チケットには禁煙と書いてましたが、みんな乗車口とトイレのある空間で当たり前のように吸っています。そこを通った時におじさんが話しかけてくれて「日本人だよ」と伝えると周りにいたクレージーなおばさま方が空手なのか少林拳なのかの真似を始めからかってきます。アジア人のイメージってそんもんかと思っていると、おばさま方が名前を聞いてきます。「YUTAだよ」と答えると、それから車内で激しい「YUTA」コールが始まるわけです。自分たちでも言っていましたが、南アフリカ人はお酒が大好きで様々なお酒が荷物から出てきます。まずはそのうちの1人のおばさんがワインをくれました。そして親切なことに彼らはいろんなことを教えてくれるのです。自分たちが降りる駅で「ここでは20分停まって店があるから必要なものを買いに行った方がいい」という初老のおじさん。店まで案内してくれて非常にありがたかった。また、他の男性は「この駅から人が減るから、前の車両に移った方が人がいて安全だよ」と教えてくれる。彼らは20時ごろに降りてしまったので、全員と固い握手をして別れました。


電車に10時間乗って、まだあと16時間もあるなんて。


ちょうど日の入りの時間で、アフリカの線路以外人工物のない荒野で見る夕陽は東京で見るそれよりも力を持っているように感じます。もともと夕陽好きの僕にはたまらない光景でした。


f:id:GB_Huckleberry:20161204222750j:plain


車内ではそこから縁が広がりみんな声をかけてくれる。ケープタウンからヨハネスブルグに行くというとみんな驚いていました。この列車は普通に地元の方の足としても使われているようです。確かに到着するまでに何回隣が入れ替わったか。1人の男が近づいてきて、「俺のライターとお前のライターを交換してくれ」とねだってくる。これは出発前に友人にもらったものだからこちらも譲れない。相手はとても雄弁家で、「肌の色なんて関係ない、俺たちは兄弟だから。どうしてもそれが欲しいんだ頼むよ。」こんなことを1時間近く言われ続け、こちらもあげられないと言い続ける。とてもいい英語の練習になりました。結局、彼も諦めてくれて一緒にお酒を飲んで先に降りる彼をホームまで降りて見送りにいったりもしました。隙があればライターの話になったけど。そしてヨハネスブルグに行くという夫婦と3人の息子たち。お母さんがすごく良くしてくれて、すごく飲ませてくれました。林檎のお酒にはじまり、スミノフ、ウィスキー。途中からenoughしか言わなかったけど。


そんなこんなで夜も遅い時間になりましたが、12時ごろに列車が停止。聴くと何か問題があったようで、何と3時間も足止めをくらいました。これでほぼ30時間の旅になってしまう。それでも周りに明かりも何もない荒野のど真ん中の駅で、ホームから見た星空は格別でした。これからより綺麗な星空を見られるチャンスがあるかもしれませんが、今のところ人生で一番の数の星を同時に見上げていました。みんな飲んで陽気だから停まっていることも気にせずホームで音楽を聴いて踊っている。


動き出した時にはもう寝かせてという時間だったのですが、周りは静まる気配もなく。何回目を覚ましても彼らは騒ぎ続けていました。すごいなサウスアフリカンと思い他の車両を見に行くと、みんな静かに休んでいます。どうやら乗る車両を間違えたようです。


朝日で目覚め、まだそこからかなりの時間があるわけですが慣れとは恐ろしいもので。もう今までの時間感覚が半ば消失していて、当たり前のように1時間1時間過ごして行きます。なんでしょう、忍耐力がついたのかな?


色んなことが僕の常識とは違うので、圧倒されることが多かったブルートレイン内での1日半。でもこれに乗ったからこそ、ちょっとは南アフリカ人というものを語る資格を得たような気がします。世話焼きで酒好き、少なくともこの2点に関しては紛れもない事実です。


まだ1カ国目ということで日本との対比がほとんどになってしまいますが、だんだんとそのバリエーションを増やしていけたらと思います。


この温かいままの気持ちで南アフリカを去ることができたら、帰ってオススメする国の1つになると思うのですが。これから降り立つヨハネスブルグでもそう想い続けられる日々を送れること、何より願うばかりです。


心なしか終点が近づくにつれて家々の塀が高くなって行く気がする。

ヨハネスブルグ到着を直前に控えた車内から。


追記

結局32時間かかりました。ヨハネスブルグは緊張感がすごい。