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笑うシマウマ、キリン 泣くゴリラ

早起きは苦手です。特に大事な用事以外は遅刻しても寝ていたい人間。日本からお叱りが聞こえてきそうです。この性質の克服が何より僕にとっての課題です。


5時起き宣告になかなか寝られない僕。最後に時計を見たときは午前3時45分だったので、正直諦めました。また次のバスにすればいいや。5時28分、部屋のドアが叩かれました。バスが出発したのが6時ちょうどだっから、この32分間。寝ぼけていたのもあり一体自分がどんな動きをしていたのかも定かではありません。起こされ、とりあえず暗い部屋の中で荷物をバックに詰める。顔も洗わずロビーに行くとオーナーが車を用意してくれている。乗り込む。バスターミナルはタンザニアで最初にアモーティと滞在していたホテルの直ぐそばにあったから何度か行ったことがありました。前回、そこからこのホステルまでは運転手が迷った挙句2時間かかった。台湾人のオーナーはまだ暗い中、全力で車を飛ばしてくれた。15分ほどで到着。改めてあのタクシードライバーに文句を言いたいところだけど、チケットを持ってない僕にまだそんな余裕もなく。入り口付近で声をかけてくれた男にナイロビ行きを伝える。ここからバスに乗るまではずっと走りっぱなしでした。寝起き30分でこれだけ移動し、金銭授受をしたことはかつてなかったような気がします。そしてまだ完全に起ききらない頭と少し吐き気のする体を椅子に沈める。なんとか間に合った。


鏡で自分の顔も見ていないような状態で、持っていたのは前日の夜半分以上飲んだ水だけ。途中で500mlの飲み物が配られ、ファンタパッションフルーツをもらいました。これが結構美味しくて、当然の空腹を緩和してくれました。12時前に一度だけトイレ休憩があり、その時に何かしらの食料を買えばよかったのだけど逃してしまいました。結局この日、口にしたのは上記2本の飲料と途中でバスの窓から買ったビスケットだけでした。このビスケットは1口目だけ歯ごたえがあるけど、2口目にはもう粉に戻っているような代物で歯と歯茎に引っ付いて取れない、あまり満足できない。ただ貴重な栄養補給、命をつなぎました。


窓からの景色は相変わらずの山に囲また土地に点在する町や村とバスの走る一本の道路。途中でキリマンジャロが見えるかもと必死に外を眺めていましたが、それらしい山はあっても確信は持てませんでした。このバスの座席ですが、背中に板やプラスチックなどが使われていなくて、座り心地はいいけれど後ろの客が接触するとモロに感触が伝わる。座席間隔が狭いのも相まって、足やら頭やらが何度も当たってくる。どんな動きをしているのかわかりませんが、腰や背中を弄られるような感覚があってその度に眠りから覚まされました。清潔感もあり乗員も親切な中、これだけはうんざりでした。揺れる車内で文字を読むことが苦手なのでひたすらに音楽を聴く。5時間くらいでiPodは電池が切れてしまいました。そういえばこの黄色いiPod nanoは高校受験が終わった時、父に買ってもらったものだから既に7年ほど使っている。この旅の持ち物の中ではもちろん、日本でも日頃使っているものの中で最古参かもしれない。曲を入れ替えることはできなくなり、日によってボタンが言うことを聞かないこともありますが色んなシーンを共にした大切なアイテム。パスポートとクレカ、スマホに次いで失いたくないものです。


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そしてケニアとの国境が近づくと、景色が変わりました。僕のイメージするサバンナがそこにはあり、もしかしたら野生動物が見えるかもと期待が膨らみます。その矢先、視界にシマウマの姿が。思った以上に早い登場に思考がついていかない。そして次の瞬間には6頭のキリンが現れる。まさかこんなところで出会えると思っていないし、道路や電柱、電線と一緒に写ったその光景は少し異様でした。動植物好きの僕にはたまらない、これがアフリカですよね。近いうちにサファリにも行けたらと思っています。その後もインパラなどの姿を見ながらバスは国境へ。ここで僕はもう一匹、さいやくな動物に出会うことになります。


この時点で出発から10時間が経ち、日が暮れはじめる。タンザニアの出国上に降り立つ前、バスのスタッフから入念に注意を受けました。出国自体はなんなく終わったものの、そこから徒歩でのケニア入国場への移動。これがもう迷路でした。幸い同じバスに乗っていた男性が一緒に歩いてくれたので助かりましたが、誰に声を掛けられても応じるなど言われました。「ここは危険だから」ありふれていそうで、なかなか生で聞くことのないこの言葉。鼓動が早くなります。入国審査場は1人しかおらず、長い列をさばいていました。中に入るまでも30分ほど並び、ようやく自分の番になりました。さいやくな動物との対面。ゴリラ。仮にオールブラックキャストでドラえもんを実写化することがあれば、僕は彼をジャイアン役に推薦します。役人であることを盾に横柄な態度。僕がビザが必要な日本人であることがわかると、紙を渡され待っていろと言われる。書類を埋めて待っていても全く僕を相手にする気配がない。我慢の限界に達するにつれて、「俺いるぞ」と目つきを鋭くして彼の方を凝視し続けていたのですが、これが彼の気に触ったみたいです。ビザ不要の旅行者が何人もパスしていくのに耐えかねて「これ以上待てない、バスが待っているんだ」と言うと「お前は待つことしかできない、無理ならタンザニア帰れ」はい?何を言っても一向に相手にされる気配がありません。せめてもの救いは後から来たコンゴ人の男性も同じ境遇に置かれたこと。1人だったら折れてました。バスの運転手もカウンターに来て説得してくれるのだけど、耳も貸さない彼。これはかなりしんどかったです。自分のせいで他の乗客を待たせていることに責任も感じるし、結局トータルで1時間以上かかりました。ある瞬間ゴリラは突然態度を変え、何事もなかったように冗談を言いながら手続きをはじめる。全然笑えませんでした。お金に余裕のある旅をする際、バスで国境を越えるのはおすすめしません。いい目には絶対会いませんよ。


こうして釈然としない気分のまま憧れの地ケニア入国。バスは再び走り始めました。ナイロビまでは2時間ほど、すでに21時を回っていたのでうとうとしながら。ナイロビに近づくと、さすがにこれまでの街とは比べものにならないほど栄えている。ナイロビの地にはもともとアフリカ固有の集落などはなく、白人が入植し開発しました。国際機関の事務所なども多くこの街に設けられています。標高は1700m以上あるので23時、ハズから降りると非常に肌寒い。日本出発以来のパーカーの出番がやって来そうです。そこからタクシーでゲストハウスに到着しました。ZARDの「君に逢いたくなったら」が最近のマイブーム、毎晩のように聴いています。この日もこの曲で気を落ち着け、空腹に耐えながら就寝。


これはもう毎度のパターンですが、やっぱり移動は簡単にはいかず体力を使います。それでも無事に着けば万事解決です。これから正月をまたいで1ヶ月近く滞在するこの国について、見識を広げていきたいと思います。


そういえば28日、出発から1ヶ月です。長かったと思いつつ、きっと気がついたら終わりを迎えてるような気がします。記念すべき回は、他人への愚痴がメインになってしまいました。とにかく、俺はまだ死んでないぜ!