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たまにはね

アフリカに来て今まで知らなかった真実を知りました。まだ知らないこと、知ることができないこともたくさんあるけれど。日本にも歴とした真実があります。それを否定するつもりはありません。しかしそれが全ての現実をカバーしているわけでは決してない。知らなくても毎日はただ過ぎていく。興味の範囲を狭めることも、賢人の在り方だと思います。僕にはただそれが惜しいことに思われました。それでも自分の主観を通して見る真実は、他人が同じものを見ても同じことを発見するわけではないでしょう。国の数だけ。人の数だけ。もしかしたら星の数よりも多く。真実は存在しているのかもしれません。そう考えると理論などはたいへん便利ですが、何かを見出す足枷にもなりうるということ。自分の意思でというよりはそうならざるを得ないのもあって、どちらかというと感覚的に生きている僕は、もしかしたら少し大きい真実を手にすることができるかもしれない。それだけ整理をつけることも難しくなりそうだけど、今は1つでも多くのことを心の中に取り込みたい。まとめる作業は日本に帰ってゆっくりしたいと思います。そんなもの、はなからないかもしれないし。


Living is easy with your eyes closed,

misunderstanding all you see.

It's getting hard to be someone but it all works out.

It dosen't matter much to me.


the Beatles "Strawberry Fields Forever"より


ボランティアが始まりました。15人以上が滞在していた合流地点から、車に揺れること40分ほど。アメリカ人のエリックと2人でナオミの家でのホームステイ。ンゴンというナイロビに隣接する町、十分に清潔な家で生活しています。悩みは2つだけ、Wi-Fiが使えないこと、そしてシャワーが水しか使えないこと。特に後者はナイロビに着いてから少し風邪気味の僕には由々しき事態です。この国は夜になるとそれなりに冷える、活動でも砂埃にまみれるのでお湯を浴びられたらどんなに嬉しいか。現実的に我慢するのみです。ホストの提供してくれる食事は美味しいので飢えの心配はありません。減った体重を取り戻すチャンスです。エリックについて。ニューヨーク出身。出身地を他は国名で答えるなか、州で答える姿は横浜市民を連想させます。4月で21歳になる彼は僕より1つ年下。アフリカンアメリカンの父を持ち、身長の高いので一見強そうですが、動作や表情はとても柔らかく可愛らしい。初海外で「マムに会いたい」と当たり前のようにもらすので、愛くるしさもあります。大勢でいた時はあまり会話ができなかったので一緒と決まった時は不安でしたが、だんだんと優しさに溢れた人間であることが明らかになっています。教師を目指している彼は、一旦帰った後に再訪し6ヶ月教育実習をするそうです。ボランティアをする先のマザーとの会話の中で、この事実と片親に育てられたひとりっ子であることを知り、彼の性質への理解がより深まり、尊敬を抱きました。1ヶ月以内の旅行に僕の4倍以上の荷物を持って来ている。好き嫌いが多く、しばしば食べ物を残す。食事には必ずコーラを添える。ビザへの愛を語る。チャーミングで典型的なアメリカ人。寝食を共するこれからの3週間、良い関係を築いていけたらと思います。


20人近くいた同時の参加者の中で、男は僕を含めて5人でした。説明の中でも参加者の8割は女性と言われ、日本でのボランティア活動も多くの女性が活発に活動をしているのと同様、海外でも活躍していることを知りました。アフリカでということを考慮すると、それだけで人ごとのように彼女たち全員を素敵に感じ、格好いいなと思います。中には10代の姿もあり、親の理解にも感心させられます。あらゆる面で僕よりもはるかに苦労がありそうで、何かこっちが勝手に心配してしまう。彼女たちが安全に活動を終えることを願います。今までベトナムやネパールで出会った日本人の方々も男女魅力的なパーソナリティを持った人ばかりで、同年代でありながら当然のように憧れを抱かされます。僕が大学で所属していた団体にもそんな友人たちがいて、2月にベトナムで再会することが今の活力です。


僕がこれから平日いつも通うことになるのは42人の子供が暮らす学校です。彼らに会う前、多くが戦争孤児であったり、片親で十分な養育ができなかったり、家庭内暴力を受けた子供が殆どと聞かされました。勝手に暗い雰囲気を想像してしまいましたが、実際に対面すると5歳から17歳までの彼らは社交的で明るい子供ばかりです。特にまだ幼い子らは一様に弾けんばかりの笑顔を見せてくれるので、こちらが安心させられる。持っている背景を想うと、笑顔に悲しさを感じてしまったりもするのですが、表に出すことは僕が取るべき態度ではないことは自明です。それでも彼らが暮らす部屋は、2段ベッドが3セットほど置かれ、小さい子供達は年長の子供らが面倒を見ている。おもちゃなどは殆どなく、ただのビニール袋に口で空気を入れ遊んでいる姿に愛おしさと同様にマイナスの感情も働くことを止める術を知りません。建物もバラックで手のかかっていない造り。教室は6畳ほど広さで2つあるばかり。この土地は借りているものであり、食事も十分にあるわけではないこと。それでも彼らはお互いを尊重しあい、家事などはほとんど自分たちで行なっています。新年早々で、授業がないこともあり、この日できたことは昼食の食器洗いの他には子供達と遊ぶことだけでした。日本にはたくさんのものがあって、頭を使わずとも遊ぶものがあることが多いと思います。ここで子供達は、枝で地面に線を引き落ちている石を使って、とても楽しそうに遊びます。もし彼らの生活が裕福になることがあっても、こういうことは無くならないでほしい。少年時代は物は十分にあったとは言え、野球の他に雑木林に入り込んで遊ぶことが多かった僕には子供達がゲームばかりに没頭する姿は残念でも、心配でもあります。昔遊んだ雑木林が今は立ち入り禁止になっている場合もあるように、これは子供以上に親や社会が見直すべきことがあると思います。


そしてまた、今まで自分が捨ててきたものが彼らの元に届けられたら、どれだけの喜びが現れるだろうかと思いました。そういうことがもっと体系化されていけば、もっとたくさんの笑顔が星を包むのに。僕たちが日頃出すゴミの中で、本当にどうしようもないものは生ゴミばかりで、他のものには十分な役割が残されているように思います。日本に住むことの素晴らしさよりは、責任に目がいく1日でした。日頃感じられなかったところに、今は罪悪感があります。授業が始まるのは木曜日からです。そしたらもっとやることが増えるのか。そばにいて肌と肌の触れ合いがあることも、僕には重要な役割かもしれない。それでも満足できるだけ、彼らにしてあげられることがあれば気持ちは楽です。僕の満足と彼らの満足は比例しないのかもしれません。マザーは途中で辞めてしまうボランティアも多いと言っていましたが、それが十分に仕事がないからかもしれないとも思いました。1日ではわからないこともたくさんあります。これからです。子供達は洗礼として、僕の髪をドレッドのように編み上げてくれました。間違えないことは1つ、彼らは本当に可愛い。彼らを見ていると、人間はすべて同じ動物であることを思わされます。明日もいってきます。久しぶりに規則的なこの生活は何をもたらしてくれるでしょうか。


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久しぶりに見たニュースでまたイスタンブールでテロがあったことを知りました。どうしても訪れたい国の1つですが、決断に悩みます。はて、どうしようか。