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食べればいいと思ってる

体調を崩しました。これで2度目。さながら教育実習生のような毎日を送る僕は、朝の授業を終え、昼飯を食べ、なんだかとても具合が悪くなった。午後の授業半ばのところで日陰に行き休ませてもらう。気だるさ、多少の吐き気、腹痛。前と同様、原因は神のみぞ知る。前夜、寝室に忍び込んだ蚊に刺されたので少し不安になる。直前の昼ごはんは洗わない手を使って食べた。不調を感じたきっかけはカナダ人にもらった飴を舐めたあと。これほど安心なものも他にない気がするけど。なんだっていうんだ。考えてみれば当然な気もしてきます。環境が環境だし、日本での生活とは違ったストレスもある。そんな中でよくやっている方ではないでしょうか?大病はしたことはありませんが、昔からたまに体調は崩す。ストレスがもろに身体に現れた中高時代から、思えばそれなりに強くなった。2年半の大学生活は不思議なほど元気に過ごしてきました。最初の1年以外は乱れがちな一人暮らしをしていたのに、数日間寝込むようなことは一度もなかった。体温計も置いていなかったので、熱が出たとしても知る術がない。これが奏功してたとはずです。37度以上を示す体温計は、気すら弱らせ、病を長引かせるばかりだと僕は信じています。体調を崩した時の我流対処法、とりあえず可能な限り食べる。


この日はフラフラになりながら暑い中、途中店によって、少しでものビタミンをとミニッツメイド。そしてインスタント麺とオレオを購入。帰ってとりあえず食べる。アフリカの食卓には麺が並ぶことがないことが不思議です。日本にはあれだけの種類があるのに。この久しぶりの麺は、大満足とはいかないまでもちょっとした幸福感。そして寝る。隣でエリックはずっと友人への電話で忙しそうだけど、構わず寝る。夕食に起こされる。食べる。マッシュポテトに野菜が添えた料理。お代わりまでして食べる。寝る。水のシャワーを浴びる。寝る。


スッキリしない体調。翌日は家で休ませてもらうことにしました。いつもは僕が早めに起きて準備を済ませ、寝起き10分のエリックを連れていく。この日は起きない僕に、さすがに先に立ち上がったエリック。家を出る時間はとうに過ぎてもなかなか出ていかない。自分が休むことを早く伝えてほしいけれど、入念に準備をしやっと出かける彼は「髪を切るから、僕も遅れていくよ」。いってらっしゃい。ここで初めて薬に力を借りることにしました。原因がわからないけど正露丸。そして寝る。なんだか少し良くなったみたいだ。昼食に起されて、ナオミに「寝すぎると、体が弱るから起きていた方がいいよ」と言われたので午後からは本を読んで過ごす。夏目漱石の「草枕」。


"智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。"


1つの場面を表現することに、無数の装飾を施す文章。辞書なしでは読めない表現も散見されて、下手したら知恵熱で体調が悪化するかもしれない。それでも読み切ることができたから、きっとそんなに悪くはないみたいだ。日差しも浴びておかないと翌日が心配だったので、水を買いにモールへ出かける。歩くのはまだ少ししんどい。ハンバーガーを食べました。ナオミはマンゴーとバナナをミキサーにかけ、ジュースを作ってくれた。日本について尋ねられ、色々と答えている。彼女は日本と韓国の区別もついていない。逆に日本のイメージを尋ねてみる。これは今まで何度か試してみたことですが、きまって"respect"という言葉が使われます。他人を尊重する人々だって。面と向かって褒められているようで、少しむず痒い。そんな素敵な国だったかしら。


読み終わったら音楽を聴く。日本での休日もこの2つにコーヒーさえあれば成り立っていたから十分です。意外と便利な趣味かもしれません。ベランダから何とは無しに空を見る。この国でははっきりとした形の雲を見たことがありません。雲ひとつない空か、あったとしても長くのびて、ぼやけ、靄のようになるばかりです。サファリ以降、新年はまだ雨に降られていない。本当に暑い。その辛さなんかはすっかり忘れて、冬が恋しいと思ったりします。できることならタンスの中に数ある服を数枚選んで重ね、出かけたい。無地のTシャツ2枚。下は毎日同じデニム。この単調な組み合わせの繰り返し、違う服装をできたらもっと生気を取り戻せる気がします。孤児院に行くだけの日々、僕は同じ服装を3日続け、日曜日にまとめて洗濯するのが習慣です。すでに汚いなんて思わない。ただエリックが靴も5足以上、毎日服を替えて出かけるのを見て、少しそんな日常が懐かしくなりました。でも、またいずれ当たり前のようにすることだから。


きっと気にかけてくれたんでしょう。麺が好きと以前話していたのを聞いてか、ナオミは晩御飯に麺料理を用意してくれました。2回お代わりする。彼女自身の口には合わなかったのか、半分残して捨てていました。もうすっかり元気になったような気分で、明日からはまた学校へいこう。


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休んだら生徒たちに申し訳なくて。先生という職業の苦労を少しばかり経験させてもらっています。今更ながら出会ってきた先生方のことなどを考えたり。生徒が話を聞いてくれません、どうしたらいいですか?ついでに言葉もいまいち通じません。そんなことを思っていた矢先、帰ってきたエリックに今まで教師がおらず、僕たちの受け持っていたクラスに先生が来たようです。多少拍子抜けして、安堵とともに少し寂しい気もします。彼らのためを考えたらこの上ないことです。残り10日ほどの日々は再びできることを自分なりに探していけたらいい。教師といえば真っ先にGTOが浮かぶ僕の「聖職」体験は幕を閉じました。本当に疲れた、けど得難い経験でした。もう僕の人生で「先生」と呼ばれることはないでしょう。