ルアンパバーンはいいところ

ルアンパバーン1日目。朝から周っても周りきれないお寺へ。お寺の名前は省かせてもらいます。大事なところかもしれませんが、来ればわかります、いくらでもあるし歩いていける。ビエンチャンと特に様式が変わるわけではありません。ただこの地域はラオ族ではなく、モン族が多く暮らす地域。モン族の方々は仏教ではなく、土着の精霊信仰を持っているそうです。自然を崇める。何となく日本との共通点も見つけられて、愛着を持つ。東南アジアに来る前、踏んだ中東の大地。様々な宗教の母胎となったその土地では、荒涼、人に牙を剥くのが自然。熱帯地域で生息する動植物に違いこそあれ、日本と同様雄大な川とやさしい緑が広がるラオスでは、時に圧倒的な力に呑み込まれながらも受けた恩恵の方が遥かに大きいのではないでしょうか。人は自然に感謝しながらそこで暮らす。太陽は乾かすものではなく、暖めてくれるもの。人が求めるものは時代とともに大きく、複雑で微細に。根源的にはもっと明確なものにあったのではないか。そう思うと、三大宗教の1つ仏教の源、インドが俄然楽しみになる。そんな場所に引き寄せられている気さえしてきます。


11時に宿に戻る。ここからバンに乗り込み、クアンシーの滝へ。上記のことも相まって、ルアンパバーンには寺院もさることながら自然によって作られた名所も複数あります。片道1時間、公園への入場料も含めて10,000kip(約1400円)。12時半に到着後、15時までの自由時間を与えられます。上部に大きな滝が、下ると泳げるスペースがあります。アフリカにはバックパックを背負った白人がたくさんいました。それは距離が近いからだと思っていました。今アジアにきて、やはり白人がたくさんいる。旅をすることが当たり前のように根付いているみたいです。弟が水着を持ってくるというファインプレーを見せたので、宿から装着して。暑い気温に、想像以上に冷たい水温。慣れてしまえば驚くほど気持ちいい。時々水深がかなり深くなっていて、ろくに泳げない僕は半ば溺れるようになりながら。「泳ぐ」という言葉には、「楽しい」っていう意味も含まれていて。水に浸かりながらもつまらなかったというエピソードは、思ってみれば自分の中には存在しません。他の観光客の皆さんには申し訳ありませんでしたが、全身を洗う意味も込めて。上がった後は、久しぶりに頭がスッキリしたようでした。思い出しました、泳いだ後は眠くなる。宿に帰ってしばし休憩。それでもラオス、自分としてはかなり綿密な計画を持っているんです。


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4時半に再び出発。歩いて5分ほどのところにあるプーシーの丘へ。ここはメコン川越しに夕日の見える観光スポットになっています。なるほど、頂上に着くと日没を30分前に控えて、すでにたくさんの人が集まっていました。ギリギリで座れる場所を確保することができた。既に十分綺麗ではありましたが、フィナーレを迎えるまでは少し暇です。多くの人は自撮りに精を出す。中国から方々が僅かな隙間に入り込んできて、改めて積極性に感心する。余裕のあった自分のスペースは、体育座りがやっとなほどに縮まりました。そんなことはどこ吹く風、隣にきたおばさん2人組も自撮りに夢中。22でも自撮りをすることがむず痒く感じる僕には羨ましく思えます。そしていよいよ太陽は山との距離が短くなっていく。山際になるとよくわかります。太陽は思った以上に速いスピードで進んでいることが。晴天の空のちょうどいいところに雲があって、幻想的な光のアートを演出してくれる。光はあらゆる方向に広がる。人のことなどお構いなく立ち上がり、僕の夕陽を塞いだおばさん、最初は面白いと思って彼女の脇から眺めていました。勿体無くなって自分も立ち上がる。オレンジ色の光に照らされて、同じようにそれを見つめるたくさんの人々。メコン川の水面も暖かい色に染められて、はっきりと1本の筋を映し出す。いろんなことを思い出させるのが夕陽。人の心の汚れは日中の太陽ではなかなか落とせない。それをいとも容易く洗ってくれるのが夕陽。沈んでしまうと人は揃って下山していく。それでも山の後ろで輝き続ける太陽は、以前と空を幻想的な色に染めている。赤みを増した空。僕はこっちの方が好きかもしれない。満足した頃には、あれだけいた人々がほとんどいなくなっている。「よし、行くか」


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丘からの下っていくと、片脚に包帯を巻いた男性がゆっくり、一生懸命に急な階段を降りている。日本人でした。脚を折りながら、ここを登ることを選んだ根性に敬服する。一緒に下まで行って再会を約束する。ビエンチャンにもあったようなナイトマーケットがここにもありました。昼間はただの道路であるところに、日が暮れはじめるとどこからともなく現地の人たちが集まって、気がつくとテントが続く光景に変わっている。これはラオスならどの街でもあることなんでしょうか。歩いていると「こんにちはー」と声をかけられた。その声の方向に目をやると、日本人のお兄さんがジュース屋で働いている。話を聞くと、大学生で休みの度ルアンパバーンを訪れ、これが7回目だというお兄さん。同様に声を掛けられた日本人が店の奥にたくさん集まっている。脚に包帯を巻いた、先ほどの男性の姿も。思った以上に早い再会。せっかくだからと輪に入れてもらう。この時には僕たちを含めて日本人8人。この後入れ替わり立ち替わりしながら、結局11時ごろまでここに居座りました。最初からウィスキー入りのジュースを飲んでやられた僕と、何度もビールを買い足しにいく青年たち。全員が日本語で話せることに喜びを感じているようで、場は冷めることなく時間ばかりが経つ。体育会系なルックスを持った男ばかりで、もやしは僕ばかり。ずっと部活に没頭してきた奴らの会話はわかりやすく、気持ちがいい。最後には夏、東京でラオス会を開く約束をして別れました。自己紹介をすることもなく、名前すらわからない。ただただ楽しい夜だった。


ルアンパバーン1日目終了。アルコールによる頭痛でなかなか寝付けませんでしたが、かなり充実した1日。弟も楽しんでくれているようで安心。ここはしっかりと予定を立てても数日間は確実にいられる街です。近隣のタイ、ベトナムカンボジアなどが日本では有名なように思いますが、この穏やかな雰囲気、穏やかな人々。嫌になる人はまずいないと思います。そしてベトナムよりも可愛い子が多い。それも合わせて、ラオスをお勧めします。