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いとしのアイシス

先日のエリックの言葉に反して、2日ぶりに訪れた施設での僕の仕事は教師でした。ホッとしながら、少し寂しいが一転、嬉しいけど、少し気が重い。それでも教室の前に立つと、今は7人になった生徒たちが「先生」と笑顔で迎えてくれる。今はこれが僕の生活だから、やるしかない。男女でちょっかいを出し合って、見かねた僕は席替えを敢行。明確に終わりがあるから、気も楽に貴重な経験と受け止められる。大きい声を出さないといけないような場面もあります。これは昔から苦手なことのひとつ。野球部の時はいつも声が小さいと怒られていたな。これは効果覿面で、しばらく沈黙がクラスを包む。長続きましません。体育教師が大方高圧的な態度でいることの理由がわかった気がする。高校の修学旅行、間が悪い僕は外出禁止の夜間に部屋を移動するのに2度見つかって「はっ倒すぞ」と真顔で言われたのが懐かしい。そういう態度をとらずに生徒から一目置かれるのは難しいし、舐められては他の体育教師たちへの体面も保てない。大変難しいしお仕事だと思います。こういう人たちがいざという時に話を聞いてくれたり、たまに優しいさを見せられると少し浮かれたような気分になったものです。忍耐力は何より重要な要素。これを続けたら、遠からず白髪だらけになりそうだ。施設の大人から問題児扱いされている子供は、手を焼きながらも可愛くも映るのが不思議です。約束の地、ケニアでこんなことをしているのが第一に予想外ではありますが、おかげでこんなことを考えることにもなりました。小1から高3までの担任の先生の名前はまだ思い出すことができて安心する。


9時前に家を出て、学校で教え、3時ごろに後にする。家でシャワーを浴び、インターネットカフェに出かける。1時間ほど滞在して、帰り道チキンを買って帰宅。相変わらず1日に1度ならず「チャイナ」と呼ばれる。相手にしなければいいのに、「日本人だよ!」と応酬すると「中国人でも日本人でも、いいビジネスの話があるんだ」と付きまとわれたりする。それだけこの国は中国資本が進出していて、人もたくさんいるのでしょう。近くを通るコンクリートの道路も中国人が建設したようです。世界中メイドインチャイナに溢れた時代。アフリカでは影の薄い母国。先進国の中で最低賃金が最も安いというニュースも、エリックがニューヨークは15ドル、ナイラのカナダが11ドルというのを聞いてはっきり輪郭を掴みました。それでも走る車の9割以上は日本製だから、少し安心する。出発直前まで実家で10年以上使っていた車種が、ケニアではたくさん走っている。ちょっとしたことですが、見かけるたび十分僕を喜ばせてくれます。トヨタは圧倒的で、前のバイト先の店長と100万台リコールのニュースについて話し合い、「それでもビクともしないだろう」と言っていた意味が強く実感されます。世界中にある日本車を全て並べたら、日本とどっちが大きいだろうか。


このボランティアに参加する際も、道で話しかけられても相手にしなければ。夜間は外出しなければ安全。その前置きの時点で安全と言っていいのかと思いますが、周りでも危険な場面の話はよく聞きます。ナイラの母親が市内を歩いていたところ、一緒にいた黒人の女性のバッグが背後からナイフで裂かれたこと。先日もお土産を買いにマーケットに出かけたエリックが付けていたネックレスを引っ張られ、取られはしなかったもののちぎられたこと。幸い僕はそんな目には合っていませんが、無警戒に歩けるような国ではないようです。長髪と髭が効果を発揮しているのかもしれません。道を歩いていても、人が寄ってきてお金を求めてくることがよくあるのを思うとジンバブエザンビアは本当に親切で安心できる国であったと思います。タンザニア、ケニアのスワヒリ語圏真っ只中は、頭を空っぽにして歩くには向いていません。


先述のマーケットで、エリックとナイラは大量のお土産を購入して帰宅し「一緒に来ればよかったのに」と言われましたが、まだまだ序盤。そう言ったものには一向に目がいきません。形に残るようなものはまだ何も買っておらず、宿代と移動費と食費ばかりです。そういうところに行く気も起きなくて、スーパーでその国の物価を調べることの方がよっぽど僕の興味を引きます。もともとボランティアに参加するモチベーションも境遇も違うので、彼らの行動も当たり前です。旅費を浮かせること、ケニアに長期滞在する理由づけ、休息が僕の目的の主たるところなので。それにしては毎日より疲労のたまることをしている気もしますが、眠りも安らかに取れています。最近は慣れもあって碌に写真も撮っていないので、ここに適したものがなくて困る。スマホを街中で取り出すのも少し緊張があるし、段々画面にヒビが入ってきたので手にすることにすら少し抵抗があります。これを失ったら、実質継続不可能になるので、どうか帰国まで無事にいてほしい。2017年の僕の運勢は如何許りでしょうか。誰か代わりにおみくじを引いてください。


内面的なことも多い文章が続きますが、あと1週間ばかりでまた怒涛の日々に戻るのでしばしお待ちを。22日午前4時のカイロ行きの飛行機を予約しました。出発以来の空旅ですが、ここでの安心感と引き換えにワクワク感を味合う日常はすぐ先に口を開けて待っています。陸路で移動が難しい地域になるので、どういう経路を辿ったものか世界地図を見ながら苦慮しています。ヨルダンイスラエル、トルコ、イラン、UAEなどなど。魅力とスリルがいっぱいです。気づけば残り3週間を切った今の歳も、少し綺麗な形で飾れたらと思うのですが今のところは想像できない。美味しいケーキでも食べられたら言うことはないのですが、難しいかもしれません。


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6畳のリビングが恋しくもある今日この頃。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?成人式があったり、もうすぐセンター試験ですよね。遠くから幸運を祈っています。