読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

紅海の上で考える

次なる国、ヨルダンへ向かう船の上から。他にやることのない4時間でエジプトの所感をまとめてみます。とは言っても半分は気づいたら寝ていました。それなりに清潔感もあり、酔うことはない。


f:id:GB_Huckleberry:20170201225514j:plain


ディープ・ブルー・ダイバーズ・ホステルで一緒に滞在していた方と同じバスに乗りました。この方はイスラエルに向かうそうです。しばらく続いた日本人と過ごす日常にもしばしお別れ。無事にダハブから乗車、とは言っても少し遅れていましたが最後のアフリカンタイムとしみじみ。これから入る国も劇的な変化は期待していないけど。時間が気になってしまうのは日本人の性でしょうか。隣街に入る際もIDチェックが入りました。どちらかというと旅行者よりアラブ人の素性確認が主な目的なようで、僕たちのパスポートは見られませんでした。13時ごろに隣町ヌエバに到着。わかりやすく大きなフェリー乗り場の入り口があり向かったものの、チケットを買ってから来いと言われる。5分ほど歩いたところで売っているようです。着いて心配していた値段を尋ねると、なんと2050ポンド(約12300円)。せっかくエジプトではピラミッド以外安く済んでいたのに、これではとんとんになってしまう。出国ばかりと思っていた僕は十分なお金を持っていない。最高でも7000円とつけた目星は完全に外れました。そして、「出航まであと15分だ、いそげ!」。乗り過ごしたくなかったので、文字通り走ってATMのある銀行まで向かいました。下ろして、またダッシュ。思えば走ったのは、時間ギリギリで輸送機関に乗る時ばかり。日本でもここ数年は何かに遅れた時だけ。この日はスキューバーにもってこいの晴天で、汗をたらしながら出国ゲートを越える。本当に日本人か怪しまれながら、1番最後に乗船。ヨルダンの入国手続きを船内で行なって、これがかなりスムーズに終わりました。こういう手続きでは珍しく、とても親切に応対してくれた。ビザなしで入れたのは南アフリカ以来です。アカバまで、僕はどうやら紅海の上にいる。離れていくアフリカ大陸。デッキに出て海を眺めたけれど、綺麗な海も先行するのは恐さです。海は恐いですよね。大きいも度が過ぎると恐いんです、きっと。


何度も言うようですが、エジプトはもうなんでもありです。それでもイスラームの教えは守られていて、神が制限を設けていない分野はなんでもありです。特に目についたのは10歳くらいの子供が喫煙やバイクを運転している姿。こっちが気が気じゃないからやめてほしい。何より健康のために。妹を乗せた三輪バイクを運転する少年が前の車に追突する瞬間も目撃しました。幸いスピードも出てなかったからよかったけれど。可能ならば新しい預言者が現れて、現在使われているものへの教えを授けてくれればいいのに。スマホとかについてもね。きっとそんなのがあったら彼らは従うから。そう思うと礼儀正しい日本人はすごいです。全員がそうではないけど、モラルで自らを律する強さ。素敵。


これまでのアフリカの栄えた街は、どこも欧米の影響を感じ取らずにはいられませんでした。都市部では伝統文化はコンクリートの下に埋められてしまっている。街並みはもちろん、食や服装までも。言語も英語やフランス語を使う国も多く、独自の言語もアルファベットで表記される。しかしサハラ砂漠を挟んでエジプトは異世界です。ヨーロッパとは似ても似つかない。しっかりと文化が守られている。看板は旅行者に気を使うでもなく、バッチリアラビア語表記。自国のレストランも堂々と門を構えていて、人が集まっているところにそれが現れている。人が集まるところでは文化の排除されているように感じた他の国とは一線を画しています。これからアジアのアラブ圏でその共通点と違いを確かめていきたいと思います。今はエジプトらしさと、アラブらしさの分別がつかない状況にいるので。


そしてカイロはとにかくうるさい。クラクションの鳴り止まないこの街は、頭痛がするようです。静養するような場所ではない。昼以上に夜になると人に溢れる通り。眠らない街。そのエネルギーに引っ張られて、無性に動きたくなるのが不思議です。時々、歩いていて大声を出したいような気持ちになります。うるせーな。活動的な雰囲気が人を動かすのか、活動的な人がその雰囲気を創っているのか。ここにいる人々と同じように生きていくのは、きっと僕にはできない。信号が変わるのを待たずに進み出すようなセッカチな面。目を移せば、昼夜関係なくチャイとシーシャに興じてのんびり過ごす人々。片方に寄るでもなく、どちらにも大きく膨らんでいる。この国は疲れます。日本は仕事さえ済めば、後はほとんど体力を使わなくても生活できる。だからこそ長寿を誇るのではないでしょうか。ここにいたら、きっと50過ぎにはボロボロになってしまいそうで。忙しいったらありゃしない。歩いていても、安全確保のために目があちこち動きます。でも嫌いになれない魅力があるんです。


うまくまとまらないところもあるので、時間をおいてまた振り返ってみたいと思います。直後の今はこんなことが頭に浮かびます。


アカバに着いたのは17時近くなっていました。旅行者に対しては良心からの親切と、悪意を含んだ親切。演技の上手い人にあたると、これを見分けるのも一苦労。こっからペトラにいきたくて、宿も予約してあったのでバスの有無尋ねる。この港町から出発するものはもう終わっていました。タクシーからの執拗な勧誘に価格を問うと「スペシャルプライス、50」ヨルダンのお金は1あたり約160円。つまり8000円。いや無理ですって。そんな価格交渉に追われていた僕も、フェリー内での睡眠のおかげか冴えていた。後から出てきた旅行者の2人を捕まえて同乗をお願いする。聞けばホステルもすごく近いみたい。最初はそれでも1人50といっていたのも、ようやく折れて3人で50に。それでも安くはありませんが、この時間に街に出て乗り換えるのも簡単ではなかったので。アルゼンチン出身のカップルと一緒にペトラを目指しました。アラビア語スペイン語、日本語をそれぞれ持った人間により織りなされるカタコトイングリッシュカンバセーション。そして7時半に宿到着。一泊1600円、久しぶりのシングルルームで休息。でも寒いのなんのって。それでも1人の空間があると、頭の中も整理できるから。最近なんかぐちゃぐちゃしてます。一つのことに集中するのが難しい。踏ん張れば2週間先に楽しみが。ここも楽しいけど、寒いのは堪える。暖房設備もなくて、部屋でも吐く息は白いから。これでみなさんと対等に冬を語れる気がします。


特にアラームをかけるようなことはしないけど、明日は起きたら早いうちにペトラ遺跡に行こうと思っています。旅の中で絶対に行きたかった場所の一つ。ワクワクできることは、こんなことをしていないと意外に難しい。特に飽き性の自分にとっては。世界5大陸なんてのも、ユラーシアはアフリカと。北米は南米とそれぞれ繋がっているから、いい加減なものだと独り言。