まちにまった

いろんなことに少しずつ慣れてきて、緊張感も薄らいでくる。全てがうまくいくわけではないけど、小さな誤差は当たり前として捉えられるようになった。日本と違うことを探すのは簡単だけど、同じことだってたくさんある。英国の縦断政策の影響下にあるこれまでの国では、車は左側通行で右ハンドルだ。メートル法を使うから話が通じやすい。生活に最低限必要なものはほとんどは変わらないし、似たような景色を探すこともできる。僕自身も常に初めての光景をながめながら、目を瞑ると何処でも同じ思想空間の中に入る。同じ人たちのことを想い、古い悩みをほじくり返す。新しい問題も多少追加されているけれど。


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今日は朝から1人でバスステーションを探して首都ルサカへのバスを予約しました。宿に戻って荷物をまとめもう一度そこに戻る。11時30分発のバスでチケットには30分前には来てくれと書いてあるから素直に従う。結局出発時刻を過ぎてからバスはやってきた。様々な種類のバスがある中で、どの色のバスがどこにいくなどということは分からないし、これからも理解することはないと思います。だからやっぱり緊張はするし受付の人に何度も聴いてしまう。無事に席に着けば目的地まで8時間と言われても、これに関してはもう何の戸惑いも抱かなくなった。着けばいい、着けば。ジンバブエのバスに比べれば虫も少なく、座席にポケットがあることに喜ぶ。勝手はもう知っているから、乗車する前に昼ごはんとちょっとしたお菓子、飲み物2本を用意しておく。我ながら完璧だ。強いて言えば、隣のおじさんの体臭が気になるけど。結局飲み物の内1本は車内にばらまいてしまいましたが、トウモロコシを食べて芯を床に捨てるような世界だから怒られることもありません。環境問題への意識はある程度物質が満たされて得られるものなのかもしれない。インフラがまともに整備されていない地域で、ゴミの分別を唱えても受け入れられるのは難しいでしょう。最初の国、南アフリカの電車内で乗客が道中に出たゴミをさも当然のように窓から捨てるのを見て衝撃を受けたのが昔のことのように思えます。エコなんていうのはお金持ちだけに通じる言葉だと思わされました。


窓から一番見えるのは今まであまり変わらない低木の生えた草原と遠くまで広がる地平線。ジンバブエよりはいくらか集落の数が多い。都市間には日本人がイメージしそうな村のようなものがたくさん存在している。電気が通っているようには思えません。子供たちが道路沿いの畑を耕しているのが見える。ザンビアジンバブエは平均寿命がかなり短いと知り、確かに窓から年配の方の姿は見えない。見えないだけならいいのですが。一度トイレに降りた停留所では今まで覚えのない程たくさんの蝿が飛び交っていた。観光客を呼び込めた場所だけが局地的に近代的な街の様相を呈している。そして何よりの観光資源は豊かな自然です。アフリカの国々はどこも複数の国立公園を有していて、Googleで調べてもオススメの場所としてまずはこれらが出てくる。1つ1つ特色こそあれ見られるものはさほど変わらないし、入場料も決して安くはないから僕はまだ一度も訪れていません。何より楽しみにしているケニアで訪れられたらと思います。だから明確に行きたい場所があってここにいる訳ではありません。博物館などもありますが、期待して入れるようなところではないので。


ルサカについたのは19時過ぎ。どこでもバスから降りるとたくさんのタクシー運転手が寄ってきて自分のに乗れと言ってくるのだけど、この日もそう。時間が遅い時は必ずタクシーに乗るようにしています。値段は運転手の気分次第みたいなところがあるけど、今の所あからさまなぼったくりなどにもあってない。この日の運転手は乗るやいなや「奥さん拾ってっていい?」自由です。乗り込んできた奥さんは美人だけどかなり気が強そうな顔をしていました。僕そっちのけで2人で話しているのだけどあまり穏やかじゃない雰囲気。旦那が何かを必死に説明して、奥さんの返事は全て「ん」っていう電子音みたいな高い声。日本人はお客様っていうくらいで、客が少し過剰に威張っているのは好きじゃない文化だけど、さすがにこの状況だと「客だよ?俺」って言いたくなる。降りるときになってら「これが俺の最高のwifeさ」って言ってきたから、適当に「羨ましいよ」って返したら、奥さんは「違うわ、ただの友達よ」って。アフリカでも男は尻に敷かれはじめているようです。ほっこりはしました。


今回泊まるのはNatwange Backpackers。これがまあすごくいいところで。それについて次書こうと思います。2日滞在の予定だったけど、少し伸ばそうかしらと思っているところです。部屋も8人用だけど僕ともう1人だけ。そのもう1人が、待ちに待った日本人でした。相手の方は「まだ2週間なんでしょ?」という感じなのだけど、初の日本人で僕の喜びは一入。言ってること全部わかる。アフリカで日本語のリアリティのなさ、これまで当たり前だった英語での会話のせいで、話の途中「ヤー」って相槌を打っちゃう。そして何故かうまく言葉が出てこなかったりして。これは定期的に合わないと日本でも無口になってしまう。帰ったら祖父母の家にでも行って気長に日本語のリハビリに励もうと思います。