陸海空 いろんなところから

ホステルから港まで約30分、前日3時間かけて歩いた道を三輪自動車で。笑顔で丁寧に話しかけられるとこちらも応じてしまいますが、タンザニアでは全てお金がらみの話になってきます。断れないようなことは今の所ありません。港でフェリーの入り口に行くと頼んでないのにたくさんの人が寄ってきて、荷物を持つと。タチが悪いのはこれらの人はお揃いのユニホームを着ていて、問題ないのかと思ってしまいます。いくらフレンドリーでも最後には「チップ」。1000円要求されました。僕には500円にするのが精一杯、ヨーロッパの男性が同じ手法にあって頑なに払わなかったのを見て憧れを抱きました。前日チケットを買ったところではなんの説明もなくエコノミークラスと思っていたチケット、実はVIPにされてました。どうりで少し高かった。名ばかりで快適でもなんでもないです。少しスペースが広いくらい。初のフェリー、出発から1ヶ月、これで陸海空制覇です。何も考えずに席に座っていた僕ですが、進み出すと思い出した。船は酔う。汗が止まらなくなって、「やばい出る」と思いました。こんなタイミングで隣の人が声をかけてくる。相手の顔の方向を見るのがつらくて少し失礼な体勢での会話。話したいことはたくさんありましたが、頃合いを見計らって切り上げされてもらいました。そんな状況でしたが、前日の寝不足で寝られたのが救いでした。気づいたら2時間、体調も落ち着きました。所要時間は約4時間。地図で見ると近い気がするのですが、意外と距離があるみたいです。


到着した僕。いまいちザンジバル島の港の位置がわかっていなかったので、ホテルまでの距離がわからない。タクシーに乗る前に「いくら払ってくれる?」と言われて悩みました。2000円で納得してくれたけれど、それほどの距離もなかったかな。一度住所をを見せたのと違う場所に連れていかれて焦りましたが、無事に目的地に着きました。


この島にはもともと来るつもりなどなかったのですが、旅をしていて出会った人々が一様に「タンザニアならザンジバル島が最高」と言うのを何度も聞きました。なら行くかと。世界遺産に登録されている「ストーンタウン」。アラブとヨーロッパ、支配者が何度も変わったこの島ではイスラム、キリスト、ヒンドゥー、格教徒が混在し興味深い文化、街並みが存在しています。その一角にある部屋を借りて泊まりました。もう迷路のようで、一度歩いた道はある程度覚えられる自信がある僕も現地の人と同行しなければ絶対たどり着けないところでした。到着後荷物を置いて案内してもらう。人がたくさんいる市場は区画が分かれ野菜と果物、肉、魚がそれぞれ売られていました。肉は冷凍、冷蔵もクソもなく皮を剥いだそのままの姿で置いてあります。夕方で在庫が少ないから良かったものの、苦手な景観でした。熱帯なだけあってフルーツは本当に種類豊富、ダルエスサラームでもホテル前の道路にある木がマンゴーの木だったりしました。羨ましい。狭い路地を1時間ほど歩いたのですが、途中で見た教会。名前の通り石だけで作られた街並みの中で、この島で二番目に古い教会、壮麗な佇まいでした。そして知らなかったのですが、QUEENのボーカル、フレディー・マーキュリーはこの島で生まれ、幼少を過ごしたそうで生家がありました。突然で目の前に現れて最初は何言ってるかわからなかったのですが、思わぬ幸運でした。音楽史に残る偉大なアーティスト、フレディーの原風景はインド洋に浮かぶこの歴史ある島だったんですね。


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海沿いにある広場でツアーは終わり。ここにはたくさんの観光客、露店、海に飛び込む地元の若者たち。アフリカではあまり出会うことのない海鮮料理、朝に食べたヨーグルトとポテチ以来何も食べておらず空腹だった僕はイカとタコを食べました。片方を選べなくて、どっちも頼んでかなりお腹いっぱいに。最後はそばにいた猫の力を借りて完食。美味しかった。


帰って滞在先でクレヨンしんちゃんの映画を見ました。いくつになっても一番好きなアニメであり、世界中どこにいてもこれが僕の現実逃避です。何度泣かされたことか。おかげで家族に会いたくなってしまいました。それもあり寝不足を重ねてしまいましたが、今日はところを変え東海岸へ。タンザニアでは主流な交通手段のダラダラという小型バス?バン?を乗り継いで。1時間以上かかったのに600円くらいでした。毎日これに乗る勇気が出ればかなりの節約になるのですが。


そしてたどり着いた想像もしたことのない風景、綺麗すぎて驚いています。言葉を失います。調べたところ、アフリカでは一番きれいな海という記述もありました。クリスマスを含めた4日間、日本人としては違和感がありますがサマードリームという名前のロッジで過ごします。


海があり、マサイ族のいる暖かいクリスマス。どんな日々になるでしょうか。